中規模渦

 大洋には,中規模渦と呼ばれる、直径100 - 500 km程度の巨大なゆっくりとした流れの渦が多数存在しています.発生原因は様々で明らかではありません.

 水平流速が受けるコリオリ力(地球の自転によって生まれる見かけの力.北半球では流れに垂直右向きに働く)と海面の高さの違いによる圧力勾配がつり合うと,流速と海面の高さは安定して保持されます.中規模渦はこの安定した状態の一つです.だから,中規模渦が存在すると,微妙に海面が盛り上がったり,下がったりしています(大きくても数十cm程度).しかも,巨大で,長期間安定して存在する現象なので,人工衛星から海面の高さ水温を測ることによって観測するのが近年の主流です.

 なお,同じ海の「渦」とは言っても,あのラーメンの具の名前になるほどの有名な「鳴門の大渦(最大でも直径数十m程度)」の様に,地形や潮流(潮の満ち引きによって起こる流れ)や風によって引き起こされる,規模が小さく,流れが速い渦とはまったくの別物です.

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