最近のニュースに戻る

ニュースと話題 1999



最近のニュース

AGU秋の総会(1999.12.13-17):サンフランシスコで行われたアメリカ物理学連合(AGU)秋(というよりも時期的には完全に冬)の総会に羽田、松清、蔵満の3人が参加してきた。参加者がとても多く(公式発表は6万人とか)、例えば太陽圏関係のセッションだけでも3つパラレルで行われている等、ちょっと末期的症状のような気がしないでもない。日本からの参加も多く、日本の学会では普段あまり見かけない日本人学者にたくさんお会いできたような気がした。


地球電磁気秋の学会(1999.11.09-12):杜の都、仙台でおこなわれた地球電磁気・地球惑星圏学会(略称SGEPSS)の秋の総会・講演会に、研究室全員で参加してきた。学会での研究発表と研究連絡はまずまずであったが、移動の際の手際については大いに反省点の残る旅であった。まず、行きの飛行機に、空港までの道で渋滞に巻き込まれて、すんでのところで乗り遅れそうになった(個人的に深く反省)。空の便はこれのみ、しかも我々の多くは翌日午前中に発表を控えているという状況の中で、細道の奥に学会が遠くかすんで行く。結局はどうにか間にあったから良かったものの、その反省もつかの間、帰りの飛行機にも似たり寄ったりの理由でまた遅刻しそうに(個人的に深く反省)。やむを得ずタクシーを飛ばして空港に着いてみると、福岡行きの便は6時間の遅延となっている。あらがい難い運命の大きな力に翻弄される個人のはかなさを痛感しつつ、空港のレストランで皆言葉少なく、ビールの杯を重ねたのであった。


ヘリンガー氏訪問(1999.10.28-29):チェコの大気科学研究所研究員であり、現在京都大学超高層電波研究センターに滞在中のペトロ・ヘリンガー(Petr Hellinger)氏が、3日間の日程で我々の研究室を訪れた。膨張・収縮するプラズマ中における波動の励起と発展過程についてのセミナー、また宇宙プラズマ中の不安定性の非線形発展についての研究連絡を行った。恒例のセミナーお疲れさま懇親会は、生粋の九州・博多料理を希望するヘリンガー氏の意見を参考としつつも、結局キャンパス近くの北海道名産パブ風レストランにて行われた。


ホークス日本シリーズ制覇(1999.10.28):今年のホークスの躍進は、多くの福岡市民の心のささえであった。我が研究室からも、先のリーグ制覇の際には、那珂川に飛び込むべく中洲に馳せ参じたメンバーが居たそうである(でも本当に飛び込まなくてよかったね)。ともあれ、これに刺激されて福岡の景気が回復し、それが遠くまわりまわって九大大学院の入学志願者増につながるよう、来年のペナントレースでもホークスの大活躍を期待したいものである。


ランベージ氏訪問(1999.10.20-23):フランス、パリの中央科学院(CNRS)の研究員であり、現在宇宙科学研究所に3カ月滞在中のバートラン・ランベージ(Bertrand Lembege)氏 (近影) が、4日間の日程で我々の研究室を訪れ、1ー3日目は無衝突衝撃波に関する研究連絡およびセミナー、4日目は福岡の歴史と文化をも含むより広い視点から、有意義な交流を行った。


研究室の新メンバーにルフヴル氏(1999.10.18):フランス、オーリアンの中央科学院(CNRS)を今年末に学位取得終了予定である B.ルフヴル氏が、来年2月より1年間、日本学術振興会の外国人特別研究員として、我々の研究室のメンバーに加わることとなった。同氏は、理論・数値実験による非線形システム解析のエキスパートである。宇宙・天体プラズマ中の様々な非線形現象に対して、実りのある共同研究ができることが期待される。


天文学会秋の例会(1999.10.7-9):我々の研究室が参加し、論文発表を行っているのは、宇宙プラズマ関係の地球電磁気・地球惑星圏学会(略称SGEPSS)が主である。日程がほぼ重複していることが多いため、天文学会、物理学会、流体学会等の他学会への参加は、これまで個人の自由判断にまかせてきた(それ以外にもたくさん研究集会等もあることだし、とても全部に出席することは不可能)。しかし、今年は天文学会の秋の例会が、勝手知ったる九大の六本松キャンパスで行われたため、ほぼ全員で参加。天文学会は久しぶりであるが、雰囲気はかつてのままである。例えば、参加者中でネクタイを締めている人の割合は、日本の全学会中、最小なのではなかろうか?


福岡アジア月間(1999.9.15):福岡県人の多くは、「21世紀はアジアの世紀たい、福岡はアジアへの玄関たい、だけん21世紀は福岡の世紀たい」、との三段論法で福岡の発展を切に願っている。そんな中、今年も恒例の アジア月間 が福岡市天神を中心とした各地で催され、アジア諸国の人々を招いてのコンサート、バザール、文化交流教室、講演会など、様々なイベントが行われた。我々の研究室でも折角の機会だからということで、アジア映画祭の中のインド映画の鑑賞に赴くこととした。各自の任意参加としたのであるが、結局全員が集まった。というか、それ以上の人数が集まった。研究室の自主セミ等の場合とは根本的に異なる気合いの入りかたで、来るべく新世紀に率先してアジアとの架け橋になろうという崇高な心構えが強く感じられ、胸を打たれる。鑑賞した映画は「テロリスト」というタイトルの新作で、ある政府要人を、自らが人間爆弾となり暗殺する任務に志願した、若き女性テロリストの心の葛藤を描いた秀作であった。なかでも、クローズアップを多用した心理描写と総合的な映像の美しさは特筆に値する。映画のあとしばらくバザールを見て歩いたが、アジアの地酒のコーナーには一同とりわけ強い関心を示し、さらに試飲可能であることがわかると、ここでしばし全員の足どりがとまったのであった。


セミナーの公式言語が英語となる(1999.8.1):外国人研究員や短期の外国人ヴィジターを迎える機会が増えるなど、我が研究室にも国際化の波は確実に押し寄せてきている。更に、殆どの学術雑誌が英語で投稿・査読・発表され、また国内外で開かれる国際研究集会に参加する機会が増えている等の現状をふまえ、このさいセミナーおよびミーティングにおける研究室の公式言語は英語とすることが、前回のミーティングの席上、満場一致で可決された。いままで日本語で話し合っていたのが急に英語になったのだから、訳のわからない表現が続出、ときどき英語と日本語が混ざる等、大変面白い光景が毎回展開されている。科学英語で最も大切なのは、自分の意思を間違って相手に伝えないことであろう。それさえ気をつけていれば、あと必要なのは積極性(というか度胸)のみ。当初はいろいろと苦労は多いだろうが、長期的には必ずためになる試みと思う。


博多の街、山笠前夜の彷徨(1999.7.14):博多と言えば山笠(やまかさ)、山笠と言えば博多である(博多を代表する夏祭りである山笠について詳しく知りたい方は こちら )。この日は、サイキア夫妻の歓迎会も兼ねて、研究室全員で、山笠で賑わう博多の街に繰り出したのであった。まずは天神のインド料理店で歓迎夕食会 (スナップ) 。ちなみに、インドから来られたばかりの人達を、インド料理店で歓迎する事の是非についての議論はなされなかった。その後、いくつもの「飾り山」を見ながら、その躍動感と華麗さに圧倒されつつ博多の街を縦断、山笠の拠点である櫛田神社に夜11時ころ到着。翌日早朝に山笠のクライマックスである「追い山」を控え、賑わいの中にも緊迫感が感じられる。しかし、色々と皆で話しているうちに、研究室の誰一人としてこれまで実際に山笠を見た者がいないことが判明。一方では、ガイドブックからの知識を引き合いに、時としてサイキア婦人が博多の文化と歴史について、我々に解説する光景が見られた。


シャーマ博士来訪(1999/7/9):現在、外国人客員研究員として名古屋大学太陽地球環境研究所(STE研)に滞在されている、サージャ・シャーマ博士(メリーランド大学)が来訪され、宇宙プラズマ中の非線形物理過程に関する研究連絡を行った。また、定例の宇宙プラズマセミナーにおいて、「サブストームの相転移」という題目で講演をしていただいた。地球磁気圏の非線形応答を熱統計力学的観点から解析する試みで、現在の我々の研究とも重なる部分の多い、興味深いものであった。その翌日にはシャーマ氏ご家族とともに、海の中道海浜公園を散策。ちょっと時間が中途半端ではあったが、幸い天候にも恵まれ、楽しい半日間を過ごすことができた。


サイキア夫妻来たる(1999/7/8):日本学術振興会外国人特別研究員として、インドのプラズマ物理研究所より、2年間滞在の予定でサイキア博士ご夫妻が来日された。主としてプラズマ中のダスト(宇宙塵)のダイナミクスに関して、共同研究を行う予定である。


過去のニュース
1999/ 2000/ 2001/ 2002/ 2003/ 最近