サイキア夫妻の日本滞在

1999.07.07-2001.07.06

母国インドからはるばるサイキアさんご夫妻が来日されたのも、また2年後に帰国されたのも、ちょうど博多祇園山笠(ぎおんやまかさ)でまちが賑わい、空気も人の心も熱くなり始めている7月初めの頃でした。写真は、豪華絢爛な「飾り山笠」がライトアップされている櫛田神社の境内。来日された直後も、帰国される前日も、ここに立ち寄って、前途に実りのあることを祈願しました。


セミナー中のサイキア氏。あたかも敬虔な宗教家のように、随所に沈思黙考をはさみつつ淡々と話をすすめ、また質問には数分間の瞑想を経た後に、静かに答えを返すその独自のスタイルは、われわれにとって非常に新鮮なものでした。どこかミレーの「晩鐘」を想わせる神々しい雰囲気が、室内に醸し出されています。


文化交流(?)の一環として、ご飯を手でたべる方法を伝授していただきました。TPOにもよりますが、(南)インドではライスはやはり手で食べるのが基本だそうです。そこには日本人の箸へのこだわりと同様、とても奥深いひとつの「文化」があるのだとか。一見簡単なようですが、実はちょっとしたコツが必要なようです。是非自分で一度試してみられることを、皆さんにもお薦めします。指先を通して食べ物の温(ぬく)もりがつたわってきます。


ジャーナリストとして活躍されているサイキアさんの奥さんのプルビさんは、2年間の日本滞在の間、地元インドのアッサム地方の文芸誌に、頻繁に日本(特に九州、福岡地方)に関する文章を寄稿されていました。ですからアッサム地方では「日本の名所」といえば「太宰府天満宮」、「祭り」といえば「博多祇園山笠」、「大学」といえば「九州大学」ということになっているはず。その一方、インドの文化を折に触れて我々に紹介してくださいました。 写真はサリー着付け教室にて(左:プルビさん、右:ジェスさん)。


帰国当日の朝、福岡空港にて。日本とインドでは文化・習慣に大きな隔たりがあり、決して楽なことばかりではない日本滞在だったはずです。しかし善意ある多くの方々にたすけられ、無事帰国の途につくことができました。本当にありがとうございます。ところで写真左の2人はサイキアさんの娘さんたちではなく、民族衣装で見送りにあらわれた度胸のすわった大学院生たち(宇宙プラズマ専攻)です。