近の研究トピックス


宇宙プラズマ・天体プラズマにおける、様々な非線形・非定常な高エネルギー現象の、理論および数値シミュレーションによる研究を行っています。また、プラズマエンジンの研究も行っています。以下では最近議論している幾つかの研究トピックスをご紹介します。もっと詳しい解説は、各項目名をクリックしてください。

宇宙プラズマ中の非線形波動と乱流現象
超高レイノルズ数、非線形・非平衡な宇宙プラズマの中で見られる乱流現象の中でも、精密な観測結果が得られ、また非線形性が顕著でエネルギー的にも重要である、太陽風プラズマ中の磁気流体波動および磁気流体乱流に焦点をあて、その理論、モデル化、計算機シミュレーション、さらには人工衛星データの解析法などの側面から、研究を行っています。

相対論的プラズマ
地球から遠く離れたいわゆる高エネルギー天体周辺では、プラズマは非常に高いエネルギーを持つので、そこで見られる種々の現象を理解するためには、相対性理論の効果を考慮することが不可欠です。自由エネルギーを持つプラズマが、相対性理論による効果によってプラズマ波動を励起する現象や、励起された相対論的大振幅波動が長時間発展していく様子を考察しています。

次世代電気推進
電気推進機関(プラズマエンジン)とは宇宙空間で電気を用いる事により推力を得るタイプの推進機関です。この推進機関は、推進剤を燃焼させることにより推力を得ている従来の化学推進機関と比較して、推力自体は小さいものの燃費を意味する比推力が圧倒的に高いという特徴を持ちます。これは加速に長い時間を要するものの、少ない推進剤で効率良く加速できるという事になり、地球外惑星探査などの長い期間を要するミッションにおいて、今後ますます利用されてゆくものと考えられています。当研究室では内部電極を配置せずに外部電磁場のみでプラズマを加速させる、新しいタイプの無電極電気推進機関の可能性について考察しています。

荷電粒子の加速・輸送

宇宙空間や地上で観測される高エネルギー荷電粒子は宇宙線と呼ばれ、そのエネルギー分布は広い範囲でべき乗則に従います。宇宙線がどのような物理過程でこのような分布を示すのかはまだ明らかになっておらず、様々な研究がなされています。本研究室では、衝撃波やMHD波動による荷電粒子の輸送と加速について理論・数値シミュレーションを用いた研究を行っています。


無衝突衝撃波のミクロおよびマクロ構造と安定性
衝撃波近傍における微視的不安定性やそれに伴う粒子加熱などのミクロな現象、衝撃波のマクロ構造と安定性、回転不連続面および接触不連続面の運動論的構造、中間衝撃波と回転不連続面の相互振動、不安定衝撃波の崩壊後の構造を決める物理量などについて、理論および数値シミュレーションにより議論しています。また、惑星磁気圏や宇宙空間の無衝突衝撃波の上流域には、大振幅MHD波動が存在することが知られています。衝撃波がこれらの波動と衝突した際の安定性について、理論的な立場から議論をすすめています。


運動論効果と流体現象
宇宙プラズマの「無衝突」という性質上、プラズマの温度・密度などのパラメータによっては流体近似は成立せず、少数の粒子の振る舞いが粒子の集団運動に劇的な変化をもたらしたり、小スケールの現象が大スケールの現象に強い影響を与えたりします。我々は、シミュレーションや理論モデルの構築により、この問題に取り組んでいます。


磁気再結合乱流のモデリング
マグネトテイルは磁気再結合過程による磁気エネルギーの解放、それに伴うプラズモイドの生成など、様々な興味深い物理過程の豊庫です。このダイナミクスを複雑系の観点からモデル化し、磁場構造の相関長の時間発展、臨界自己組織化などについて議論しています。

ダストプラズマ中のジーンズ不安定性
惑星の進化・形成を議論する上で、星間ダストの自己収縮であるジーンズ不安定性の議論は重要です。プラズマ中で負に帯電するダスト粒子の運動を、周辺プラズマとの相互作用を取り入れて数値シミュレーションを行い、初期惑星の形成過程を議論しています。


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