宇宙流体環境学研究室

宇宙空間はプラズマという電気を通す流体で隈なく満たされています。地球や惑星周辺の宇宙空間を満たしているのは主に太陽を起源とするプラズマです。太陽活動の影響はプラズマを介して地球周辺の宇宙環境に及びます。太陽圏の外は銀河の無数の星々からのプラズマで満たされており、華々しい天体現象の解明のカギを握るのがプラズマのふるまいです。我々は、宇宙プラズマをキーワードに、地球周辺から遠方の高エネルギー天体まで、さまざまな宇宙流体環境を研究しています。また、プラズマを制御して宇宙での飛翔体の推進技術を開発することにも力を入れています。

お知らせ

2022.07.24
ニュース
R5年度大学院入試(一般)が行われました。
2022.07.16
ニュース
2022年度の大型レーザー実験を大阪大学レーザー科学研究所で行いました(2022.7.11-15)。
2022.05.21
ニュース
筑紫地区オープンキャンパスが行われました。
2022.05.14
ニュース
大型レーザー実験準備のため大阪大学に行ってきました(2022.5.8-14)。
2022.04.05
ニュース
R4年度入学式が行われました。

研究内容

無衝突衝撃波の物理
宇宙空間には普遍的に衝撃波が存在します。隕石の落下時などに大気中で観測される衝撃波では、大気の分子が頻繁に衝突を繰り返していますが、宇宙の衝撃波では粒子(電子やイオン)同士の衝突がほとんど起こりません。無衝突衝撃波と呼ばれるこの特徴のため、宇宙の衝撃波の構造はとても複雑になります。また近傍では大振幅の波動や高エネルギー粒子が作られますが、その詳細な物理機構はわかっていません。我々は、理論、計算機シミュレーション、大型レーザー実験などの手法を駆使して、無衝突衝撃波の物理の解明に取り組んでいます。
宇宙プラズマ中の乱流・非線形波動
自然界ではさまざまな波動や乱流が観測されますが、宇宙プラズマ中の波動や乱流の特徴は非線形性がとても強いことです。極端な非線形波動や乱流がなぜ励起され、どのように発展していくのかを理解することは、背景の宇宙プラズマや高エネルギー粒子の振る舞いの理解に直結するためたいへん重要です。理論、モデリング、計算機シミュレーション、さらには機械学習を用いた人工衛星データの解析を通じて、宇宙プラズマ中の非線形波動や乱流の起源、その基本的性質の解明を目指しています。
宇宙線の加速・輸送
宇宙空間や地上で観測される高エネルギー荷電粒子は宇宙線と呼ばれます。宇宙線の重要な特徴のひとつはその広いエネルギー分布で、観測される宇宙線のエネルギー範囲は 10 桁を優に超えています。さらに、エネルギー分布の形状がべき型と呼ばれるものになることも重要な特徴とされています。宇宙線がどのような物理過程でこのような特徴を示すのかはまだ明らかになっていません。本研究室では、宇宙の複雑な電磁場構造による宇宙線の生成や輸送について、理論、モデリング、計算機シミュレーションを用いた研究を行っています。
相対論的プラズマの緩和過程
地球から遠く離れたいわゆる高エネルギー天体周辺では、プラズマは非常に高いエネルギーを持つので、そこで見られる種々の現象を理解するためには、相対性理論の効果を考慮することが不可欠です。莫大な自由エネルギーを持つプラズマが相対論的効果によって大振幅波動を励起する現象や、励起された相対論的大振幅波動が長時間発展していく中で効率的に粒子を加速していく様子などを、理論、モデリング、計算機シミュレーションを駆使して研究しています。
高密度高周波プラズマ源の開発
将来の有人火星探査など、深宇宙での長期ミッションに用いる電気推進機(プラズマエンジン)の大出力化や、半導体製造における高効率で高速なプラズマプロセスの実現には、高密度のプラズマを生成する高周波プラズマ源の開発が必要です。当研究室では、未だ十分に理解されていない高周波プラズマ源によるプラズマ生成機構を数値シミュレーションで明らかにすることで、従来よりも大幅に高性能化した高周波プラズマ源の開発研究に取り組んでいます。