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ダストプラズマ中のジーンズ不安定性

 星の進化・形成を議論する上で、星間ダストの自己収縮であるジーンズ不安定性の議論は重要です。ダスト粒子は、プラズマ中の浮遊電位に帯電するため、ある程度よりも小スケールのダスト粒子のダイナミクスを考える上では、重力だけではなく、ローレンツ力をも取り入れる必要があります。

 ダスト粒子を超粒子として扱い、ダスト間の自己重力、ダスト間のクーロン力、および周辺プラズマによるデバイ遮蔽の効果をとり入れてダスト粒子の運動を数値的に解く、ハイブリッドシミュレーションを行っています。計算しているのは、ダスト粒子の運動方程式、重力場のポアソン方程式、そして電位場のヘルムホルツ方程式です。

 ダストジーンズ不安定性を特徴づける重要なパラメータはダストのジーンズ周波数、ダストプラズマ周波数、プラズマデバイ長です。安定領域における波動の分散関係、ジーンズ不安定性の上に示したパラメータに対する依存性などを議論しています。ダストが集積すると効果的にジーンズ周波数とプラズマ周波数の比が上昇するため、線形分散から期待されるよりも小さい初期ダストジーンズ周波数で不安定性が生じます。



プラズマ中のダスト集積の数値シミュレーション結果。個々のダスト粒子の運動を、ダスト間の重力と電気力の影響のもとに計算し、さらにダストが運動した結果を用いてプラズマの状態を更新する。これを繰り返すことにより、ダスト粒子の集団運動を計算機内に作ることができる。



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